ラブ*ゲーム




好きな人なんていない。



自分の中に強く想う相手なんて。


恋なんてまともにしたことない私に好きな人なんてできる訳がない。


なんで頷いちゃったんだろう。


こんなつもりじゃなかった。


第一こんなゲームなんて思ってなかった。


これじゃあ負けが決定。


勝てっこないよ。


あいつに好きな子がいて、その子を振り向かせようと頑張ってるなんて。


こんなの予想外だって。


こんなゲームに付き合う奴なんて山ほどいるかもしれないのによりによってどうして私なのよ。


ため息と共に何かがじわりと胸の奥で滲んだ。


……真剣勝負なのに、これじゃあいつに失礼だ。


入学したての頃にかっこいいと感じたあの人に、私なりの賭けをしよう。


負けたくない。


けど勝ちたくもない。


変な感情を抱いたまま時間は過ぎていくばかりだった。





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