黄昏の千日紅
マーガレット





今日も先輩は、少し大きめのテディベアを抱えて、東棟と西棟の校舎の間にある中庭のベンチに一人座っている。




彼は可愛らしいクマ柄のマフラーを首に巻いて、遠くの何処か一点をただじっと見つめている。





私は、校舎の窓から先輩のいる中庭を見下ろしながら笑みを零す。





そして、急いで階段を駆け下り、先輩の元へと歩み寄って声を掛けた。






「樹先輩、こんにちは」







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