君の瞳に映りたくて。

図書室での出来事。



***


………なんなんだ、この状況は…。


「あのー、私これから部活なんだけど」


あれから無事テストも終わり、今日はテスト返却日。
今回は英語以外の全教科を香坂に頼ったお陰で全てが70点を越えるという驚異の点数だった。

数学なんて赤点常連の私が75点。
名前を見返してしまった。


お礼に、今日の夜は香坂にご飯を奢る約束。
ま、香坂も私のおかげで英語の点数が上がったみたいだけど。
私のおかげ。
決して香坂は認めてくれないけど。


で、部活に行こうとしたらどっかのクラスの女の子二人組に呼び出されて、なぜか図書室。
ここの学校、本当に隠れるところないもんね。

これはいわゆる、生意気な私をいじめるために呼び出したんだろうけど、何が悪かった?
和泉に嫌い発言をしたことか?
それは私も悪いことをしたと自覚はしているけれども。


「あんたさぁ、香坂くんと付き合ってんの?」


へ?香坂?え、そっち?


「や、付き合ってないけど…?」


「だよねー、あんたみたいなブス、香坂くんが選ぶわけないとは思ってたんだけどさ!」


いや、ブスって。ブスって言ったね。
そりゃ私は可愛くないわ。
頑張っても中の中だし、女子力も低くて頭も悪いけど、ブスって言うほどでもないでしょ。


「でもそれなら、なんでいっつも香坂くんにまとわりついてるわけ?」


「いや、別にまとわりついてないけど」


むしろ香坂から声をかけてくれるほうが、少しだけ多いはず。
特に部活の時とか。


「でもさぁ、私宮下さんが夏休み、香坂くんに話しかけてるの見ちゃったんだよね。
二人で何か話してたよね?告白でもしてたんじゃないの~?」


…してないけど。どんな妄想だ。


「で、フラれたのにつきまとってるんじゃないのー?」


「………的はずれすぎてウザいんだけど。」


「「はぁ!?」」


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