君の瞳に映りたくて。

和泉said



***


「みーてーたーぞー」


「うわっ、なんだよ。」


「なんで祥也ばっか仲いいかなー。」


「あぁ、春翔フラれたんだってな。
ご愁傷さま。」


友達作るのって、こんな難しいことなんだっけ。
俺、今までどうやって友達作ってきたんだろ。


「祥也はさー、どうやって仲良くなったんだよー。」


「俺?
向こうから話しかけてきた。」


「………あっそ。」


向こうからねぇ。
俺なんか向き合ったって拒否られんのに。


「今日は一段と調子悪いな、あいつ。」


「え?」


「宮下。」


陸部の方を見ると、いつもより遅い宮下。
いつもより、苦しそうな宮下。

……あんなに輝いてた宮下とは正反対だな…


「あ、優衣。」


「春翔、どうしたの?」


「ん?陸上部も頑張ってるなーって。
優衣も。」


「もーね、走りすぎてばてばてだよー。
あっつい!」


「はは、今日はまた暑くなったもんなー。」


「あ、今日一緒に帰ろ!」


「お、久しぶりじゃん。
最近全然一緒に帰れねーし。」


「ごめんごめん!
なんかさ、ずーっと春翔といたから友達と遊ばなかったでしょ?だから最近は友達との時間も大事にしてるのー!」


「はは、そっかそっか。」


「おい、春翔ー。
そろそろやるぞー。」


「あ、おう。行く行く。
じゃな、優衣。またあとで。」


「うん!」


さてと、俺もやってくるか。
来月試合だし、次は初戦敗退するわけにもいかないし!



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