君の瞳に映りたくて。

和泉said



***


「祥也、なんで家までおくんねーんだよ。」


「………ほんとだよ。
本当に俺のせいだ…」


なんだ、やけに素直だな。
それに…本当に悩んで、苦しんでる。

祥也がこんなんになるのはかなり珍しいんだけど……


「………もしかして、本当は付き合ってる?」


「は?
いや、付き合ってねーよ。」


「じゃあ宮下の事好きだろ。
そうなんだろ?

おかしいと思ったんだ。
女に優しくない祥也が、男と仲良くしない宮下には心開いてんのが。

なぁ、本当は好きなんだろ?」


「………だったら?」


「いつから?」


「夏休み中。
一生懸命なあいつを見てるうちに。
俺しか頼るやつがいないんだなーと思うと、俺も必死になってた。」


「告んねーの?」


「今は告るつもりはない。
あいつは好きなやつが自分を好きにならない気持ちをよく知ってる。
今もそれで苦しんでる。
そんな時に俺が告ったら、あいつは俺が傷つくことを気にして悩む。
だから、告らない。」


「………すげー本気なんだな。
でもさ、宮下って俺のお気に入りっつーか…」


「彼女がいる春翔が口出しできることじゃねーだろ。」


………そう、だけど…
なんか、あいつを守るのは俺の役目な気がして
俺があいつを守りたい気がして………

ずっとそばにいるのは俺なような気がして…


こいつに、宮下を取られたくない。



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