君の瞳に映りたくて。

テスト勉強。



***


「━━━で、こうなる。わかった?」


「わかった!!
やっぱ香坂は頭いいねー。」


「無駄口叩いてる暇あったらこの問題やる。」


「はーい。」


明日からテストが始まります。
今日は最後の足掻きで香坂んちにお邪魔してる。
もちろん、無理矢理に。

そして、なぜか今回は和泉付き。
私は全然嬉しいけど。


「祥也ー、お茶ないよー。」


「はぁ?お前飲みすぎなんだよ。」


「おかわりお願いしまーす!」


「ったく。
じゃあ宮下サボんなよ。」


サボりませんよ。
こっちも赤点なんてとれないから必死だし。


「なぁ、宮下。
なんで祥也んちなわけ?
俺が教えるっつったじゃん。」


「だって和泉、数学の教え方いまいちなんだもん。
香坂すっごいわかりやすいから。
今これやってるからちょっと静かにしててー」


っていうか、和泉も早くやりなよね。
まったく。
和泉は全教科70点以上でハードル高いんだから。


「………ひゃっ…
もー!和泉邪魔しないでって言ったじゃん!」


集中してやってたのに、今度は和泉に背中をツーっとやられ、思いっきり反応してしまった。
ぞわぞわするんだもん。


「宮下って胸ないくせにブラジャーとかつける意味あんの?」


「なっ…!
うるさいよ!バカ!エッチ!
もう近付かないで!」


信じられない!
そりゃ背中触ったからブラジャーに引っ掛かったんだろうけど…そんなこと言わなくたっていいじゃん。

和泉のばか!!


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