君の瞳に映りたくて。

修学旅行。



***


アメリカ、か………
またあそこに住むことになるのかな…

こんな本気で話すこと今までなかったもん。
いつも茶化して流して終わってたのに………


美乃里とも、香坂とも、和泉とも…会えなくなっちゃうのかな……



コンコンー


「舞桜、ちょっといい?」


…お母さん…。


「………はい。
なに?」


「ちょっと来てくれる?」


「やだ。」


「……じゃあお母さんが部屋にお邪魔するね。」


「…なに?どうせアメリカ連れてくんでしょ?」


「まぁ座って座って。」


………いや、そこ私のベッドだけど…まぁいいや。


「………あのね、さっき杉山さんからいろいろ話聞いたの。
それで、お父さんといろいろ話し合って決めたの。」


「また私抜きで?」


「…あとでまた舞桜の意見を聞かせてほしいの。
だからお父さんとお母さんの話も聞いてくれる?」


「………わかった。」


聞くだけ、だからね。


「舞桜が日本に帰りたいって言ったとき、お父さんと大喧嘩したでしょ?
あの時は将生が死んじゃって、舞桜までいなくなったらって、お父さん心配で仕方なかったからなの。

お父さん、舞桜のため、将生のためって勘違いして自分の意見押し付けてたけど、それでもやっぱり二人のことをすごく大事に想ってた結果なの。それはわかってくれる?」


「………うん。」


「だからね、舞桜が襲われそうになったって話を聞いてお父さん、パニックになっちゃうくらい心配してたの。
だから仕事も放ったらかして日本に帰ってきたの。
このままにしておけない、って。

だけど、さっき杉山さんに言われてお父さんと考え直したの。
日本にも犯罪はあるかもしれないけど、でも舞桜をここまで明るくしてくれたのも日本だから。

だから舞桜には日本があってるのかもしれない。」


「………じゃあいかなくていいの?」



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