君の瞳に映りたくて。
君がいなきゃダメで

テスト勉強。



***


「━━…で、こうなる。」


「あー、だからこれにはこっちの公式なのね。」


季節は12月。
もうすぐ期末テストです。


あれから、私と和泉は全く話すことがなくなった。
私も、なるべく和泉を見ない努力をしてる。

……そんなことを努力するくらいだから、きっと私はまだ和泉のことが好きなんだと思う。


それでも、祥也との時間がかなり増えて、二人でいることも多くなって、祥也の隣にいることが当たり前になっている私。
祥也の彼女だと言う自覚はしっかりある。


好き、という気持ちが最近よくわからなくなってきてて、祥也に対する"好き"がどの好きなのか、まだよくわからずにいるけれど。


「っていうかさ、授業聞いててわかんねーの?」


「わからないから聞いてるんじゃん。」



そんな私はまた祥也に勉強を教わっている。
祥也のお母さんによく思われてない私だから、図書室で。


付き合って1ヶ月とちょっと。
そんな私たちは……


「舞桜。」


二人になるとたまに甘くなる祥也がまた近づけてきて、私は目をつぶるのだけれど……


ガラッー


「あ、祥也いた!
部活始まるぞ!早く来いよ!」


「……チッ」


まだ、キスすらしていない。
いつもタイミングがいいのか悪いのかわからないけど、絶妙なタイミングで和泉が来る。


「……悪い。」


「いいよ、私も部活だしね。」


祥也は決して人前でそういうことをしようとはしないから、和泉が来たらその先を続けることはない。


「じゃあまたあとでな。」


「うん。」


ま、部活のあとも一緒に帰ってるから、いつかチャンスは来るだろうけど。



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