君の瞳に映りたくて。

和泉said



***


「なぁ、なんでいっつも邪魔すんの?」


「……たまたまだろ。」


「たまたまにしては毎回毎回邪魔してんだろ。」


「…もしかして、お前らまだ…?」


「うるせーな。お前のせいだろ。」


まじかよ。
まさか毎回邪魔できてるとはな。


「…嬉しそうな顔してんじゃねーよ。
やっぱりわざと邪魔してんだろ。」


「い、いや、それは本当にたまたまなんだよ。
なんだろうなー。毎回俺が邪魔できてるなんて、祥也は宮下とキスするなって神様がいってんじゃねーの?」


「…やっぱ邪魔してんじゃねーかよ。
あいつは俺に譲ったんだろ?」


「難しいもんだよ?
好きなやつを、友達に譲るのって。

だから嫌われて、仲良くするのやめたんじゃん。」


俺はもう、宮下と仲良くすることもできねーんだから
邪魔くらい、させろよ。

俺が見てるところで宮下とキスなんかすんなよ。


「春翔さ、まだ好きなわけ?」


「なんだよ、悪いかよ。
だいたい俺は入学式からあいつのこと…」


「はいはい、わかってるわ。
でも、あいつは完全に春翔は竹下と戻ったと思ってるよ。
お前ら、付き合ってる頃みたいに戻ってるから。」


「…知ってる。あいつ見てりゃわかる。

俺も、優衣を利用してるだけなのかも。
優衣といると、昔に戻れる気がするんだよ。
まだ宮下と仲良くもなっていない頃に。

ケンカもしてない、俺がただ見てるだけの頃に。」


「…バカじゃねーの?」


「うるせーよ。」


「逃げてばっかいねーで、一回くらいぶつかれよ。
本当は後悔してんだろ?
あのとき、告白にヒビって舞桜より竹下を選んだこと。
告白すらしたことねーチキン野郎が。」


「うるせーよ。
だいたい今はお前の彼女なんだから、どうしようもねーだろ。」


「そうやってな、俺に気つかってるとこ
度胸すらないところ
俺、昔からすげー腹立ってる。

好きなやつに好きとも言えないお前が。
舞桜に話しかけることすらできない根性なしがすげー嫌い。

その程度のお前に、舞桜は渡さねーから。」


舞桜、舞桜って…お前が舞桜とか呼んでんなよ。くそ。


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