君の瞳に映りたくて。



「ただいま!」


「おかえり。
もう遅いよー。」


「ごめんね。
外で友達待たせてるの。もう行くでしょ?」


「そうね。出発には少し早いけど行こうか。」


「そうだな。」


ちょこまかと動くお母さんと、やっと腰をあげたお父さん。
杉山さんはすぐに私の荷物を持った。


「杉山さん、ここまででいいよ。
ありがとね。」


「行ってらっしゃいませ。」


「留守の間、この家をお願いね。」


「はい、もちろんです。」


私は荷物を受け取り、お母さんが挨拶をし、お父さんは最終確認をして、杉山さんとは玄関で別れることとなった。


「お帰りをいつでもお待ちしております。」


「もう明日帰ってきたいよー。」


「舞桜、やることやってからよ?」


「はいはい。
じゃあね、杉山さん。またね。」


私はそういって、みんなで家を出た。


「舞桜の友達なんていつぶりかしらね~」


まぁアメリカでは友達なんていなかったもんね。
リアンだけだもん。


で、門の外へ出ると


「あれ、祥也までどうしたの」


「どうしたのって見送り。普通に。」


「ふーん、そっか。
あ、お父さんお母さん
同じクラスの榑林美乃里と香坂祥也。
修学旅行も一緒だったの。」


「舞桜の母です。
修学旅行の時、本当は私が運転する予定だったのに、リアン送り込んじゃってごめんね。」


「いえ」


…くら。


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