花一刻、〜新撰組〜

茶屋に着くと、襖の中からは、
遊女達の甲高い笑い声が聞こえる。

「さぁ、茜音行くよ。今日も旦那さん方に
失礼のないようにするんだよ。」

「分かってるよ。姐さん。」

2人は、お金持ちが相手だと言うから、少し
緊張した面持ちで襖を開ける。

「こんばんわ。今夜は、楽しんでおくんな
まし。」

下げた頭を上げると、目の前の光景に驚い
た…。

そこにいたのは、かの有名な新撰組の方々だったから。

全員で数百人はいるだろう。
なかでも上手に座り、大勢の遊女達に囲まれていたのは、噂でしか、背格好は聞いたことがないが、たぶん…。

3人の中で一番凛々しく男前だけど、
優しい雰囲気がある近藤勇さん。

厳格な顔で見た目から鬼の雰囲気がわかる、
土方歳三さん。

積極的な遊女達に少し困り顔な、沖田総司さん。

3人は噂の通り、キラキラしていて、見た目も
とてもかっこよかった。

私が、3人に見とれてると、
「姐さん、姐さん!
あれが新撰組の、総長や鬼の副長だよね?!
近くで話してみようよ!」

茜音が目をキラキラと輝かせている。



< 4 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop