夏の日の想い出
気のせい、かな。
少しまだ引っ掛かっていたけど、体勢をもとに戻して空を見上げた。
でも、視界に入るはずの空が写らない。
代わりに写ったのは――
「麗ー夏っ!」
…………あたし!?!?
「えっ? 待って、どう言うこと?」
何であたしがいるの!?
頭のなかは完全にパニック状態。
「あの、誰ですか?」
ただ顔が似てるだけ?
「あたしは、泉 麗夏! 19歳だよ」
いずみ……れな。
え? ほんとにわかんない。なんで?
あたしなの? え? ……え!?
名前も顔も一緒だけど歳は違うし、まずそんなのあるわけ……。
「ごめん。そうなるのも無理ないよね!
えっと一言で言うと……あたしは、二年後の未来から来たの」
…………はい?
未来? 二年後? てことは、これはあたし?
…………………はあああああ!?!?
待ってよ! 余計わかんなくなっちゃったんだけど!
「どういうことなの? 説明してよ!」
「だから、これ以上説明することなんてないよ。
あたしは、二年後の“麗夏”なの。
今の麗夏に、伝えたいことがあって……」
「……… まず、未来から来たってなに?
何であたしが二人いるの!?」