秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

グイグイ迫られすぎて、どうしていいのかためらってしまうけど……すごい勢いで彼に惹かれていくのがわかる。

怖い上司であることには変わりないけど、心から尊敬している。

それに、伊吹さんはちゃんと私のことを見ていてくれる。
失敗して叱ったとしても、努力したことは認めてくれる。

そんな人から熱すぎる愛の告白をされて、惹かれない人なんているのだろうか。


「もう少し、時間をください」


彼が愛をくれればくれるほど、もしそれを失ったら、今度こそ耐えられないんじゃないかと不安になる。

愛されることが心地よくてたまらないくせに、矛盾しているのはわかっている。
でも、信じ切った人に裏切られた私には、もう少しだけ時間がほしい。


それに、もっともっと努力して、あなたの隣を胸を張って歩けるように頑張るから。


それから私も彼の体温を感じながら目を閉じた。
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