秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

翌朝ゆっくり目を開けると、彼が私をまじまじと見つめているから、目が泳いでしまう。

見つめられるのはいつものことだけど、すべてをさらけ出した後だからか、恥ずかしくて恥ずかしくて……思わず彼に抱きつき顔を隠した。


「なんだ、誘ってるのか?」

「ち、がいます……」

「いいぞ。お前なら何度でも抱ける」


彼がそう言いながら覆いかぶさってくるから慌てる。


「伊吹さん、違います!」


首をフルフル振ったけど、彼は意味深な笑みを浮かべるだけ。


「お前、俺の好みを知ってるんだな」

「好み?」

「好きな女の困った顔に欲情するんだ」


そんなの知らない!


「こ、困ってませんよ? 大丈夫ですよ?」


慌ててそう言うと、彼は「プッ」と吹き出した。
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