秘書室室長がグイグイ迫ってきます!

純愛に我慢はつきものらしい Side伊吹


悠里の髪を乾かすのはもう俺の日課だ。
なぜか彼女は遠慮するけど、やりたくてやっているのだから、気にしなくていいのに。


今週は少しハードだった。
特に聡さんの外出が多く重なり、悠里は走り回っていた。


余裕がなくなるとミスも増える。

それがわかっている彼女は、いつもの何倍も時間をかけ、確認作業をしたり資料を念入りに読み直したりしていた。


基本、任せた仕事には口を挟まない方針だけど、今週ばかりは見ていられず、こっそり資料の追加をデスクに置いておいた。
そのたびに「すみません」と神妙な面持ちで謝りに来るから、半分変わってやりたいくらいだった。


でも、彼女は金曜まで見事に乗り切った。
聡さんも絶賛だ。
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