《短編》時計仕掛けのカトレイヤ
⑤18時の告白
***
「カトレイヤ、走れるか!?」
「うん!」
カイに手を引かれながら、私達は時計台を目指す。
すでに星々が夜空に散らばっている18時、私達は全力で走っていた。
あの後、サイモンの家を出てすぐに、裏口に待機していた男達に待ち伏せされていた。
カイには体術の心得があるのか、数人の男達を倒すと、私の手を引いてここまで逃がしてくれたのだ。