笹に願いを
「抗がん剤による副作用の重さ・軽さは、本当に患者さんによってそれぞれ違います」と、主治医の須藤先生から言われた。
だから、こればかりは、実際にやってみてからでないと、私にどんな副作用の症状が現れるのか、副作用がどこまで軽いのか、又は重いか分からない。

「でも、半年間丸々休職する必要はないと、私は思いますよ。笹川さん、お仕事好きなんでしょう?」
「はい」
「だったら尚のこと。点滴をする日は、もちろん休まないといけないでしょう。後は、倦怠感や嘔吐といった、出てくる副作用の症状や強さによって、点滴の日から3日休むとか1週間休むというように、日数を決めていけばいいんじゃないですか?まあそれは、お勤め先の規約も絡むことだから、私からはそこまで踏み込んで言えることじゃあないですけどね。とにかく、治療が始まればできないことも出てきますが、気をつければ治療中でもできることはあります。なるべくこれまでの生活を維持すること。これが大切です。笹川さんはお仕事が好きなんだから、治療中でもできる仕事だったら、なるべく続けてみてください。もちろん、無理のない範囲で」

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