笹に願いを
日当たりが良さそうな窓際席もいいけど、外はセミの声が聞こえてきそうなくらい、まだ暑い。
天野くんは、真ん中に置いてあった新聞の束から、一紙抜き取って読み始めた。
私は、数冊置いてあった、女性向けのファッション雑誌を一冊選んだ。
「エブリクラブ」が置いてないのはちょっとばかり残念・・・なんて思いながら、自分の年齢に合った30代女性向けのファッション雑誌をパラパラとめくる。
途中で手を止めながら、文章や写真の配置を、つい確認するように読んでしまう。
雑誌に限らず、私は小説や漫画も、編集という職業を意識した目線で読んでるし、テレビや映画のコマーシャルだって、「この番組でこのCMか」とか、そういう商業的なつながりを意識して観てしまう。

つまり、好きなのだ。

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