笹に願いを
「俺も。おまえが好き。マジで愛してる。だからかなぁ、おまえがやっと“好き”と言ってくれて俺・・めちゃ嬉しい。俺も今、すげー幸せ感じてる」
「ごめんね。もっと言えば良かったね」
「そーだぞー。明日から毎日10万回は“義彦好き”って言え」
「はあ?何それ。多すぎて言えません!」
「分かった。じゃあ妥協案だ。慣れるまで言え」
「なんで命令口調なのよ」
「亭主関白?」
「それ意味違うくない?」
「だから疑問形にしただろ」
「もう・・」

・・・楽しい。
こういう何気ないやりとりを、天野くんと、もっとたくさんしたい。

「天野くん」
「ん」
「私、あなたに毎日10万回“好き”って言うことはできないけど、それ以上にあなたのことを“愛してる”って思ってるから。それは知っといてね。損はしないから」
「・・・おう」

思っているだけじゃ分からないこともある。
だから、言える時に言っておかなきゃ。

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