笹に願いを
隣をチラッと見ると、天野くんも顔がニヤニヤしている。
きっと彼も、初老の須藤先生に、好感を抱いたに違いない。

「何か質問はありますか?」
「いえ」
「天野さんも。何か聞きたいことはありませんか?」
「あのー。こいつの投薬中、俺はそばに付き添っていてもいいですか」
「いいですよ。ただ、笹川さんを動かしたり、その辺のものを触ったりはしないでください」
「あ、はい。分かりました」
「それでは、投薬を始めます」
「・・・はい。お願いします」


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