オトナの恋は強引です!
「サクラ、機嫌悪い?」とコムギが瞳を覗いてくる。
コムギは周りにいる人の気持ちによく気がつく
きっと、こういうところは看護師に向いているって思う。
つい、機嫌の悪い事がばれてしまう私は、
仕事がデキルと評価されていても、看護師に向いていないのかもしれない。
「うーん。ばれた?オンナ連れのドラゴンに会った。」というと、
「なるほどね。」と笑う。
「毎度、傷つくんなら、マンション引っ越せば。」とコムギは笑う。
「やっぱりそうだよねー。」と苦笑すると、
「あそこら辺のマンションは片桐さんの持ち物も多いけど、
竜二さんは住んでないでしょ。」と笑う。
「うーん。引越し。ちょっと、本気で考えようかな。」
と私が言うと、ちょっとコムギは驚いた顔をする。
「片思いをそのままお終いにするの?」と聞くので、
「もお、いいかな。って思ってる。私なりに頑張った。」と笑うと
「ちゃんと告白したら。」
とコムギが呆れて言う。

いいや、しない。きっと。
第一、相手にされていない。
告白しても、不思議な顔をされるだけだ。

「26歳になって恋人もいないと、
親がお見合いを勧めてくる。」と溜息をつくと、
「お見合いねえ。サクラはお嬢さんだからなあ。」というので、
「コムギは開業医の娘でしょ。」と言うと、
「小児科のクリニックなんて、儲からないって知ってるでしょ。
伊豆の老舗旅館の娘とは違います。」
と言い返される。
「もう、旅館は兄が継いでるし、私は家を飛び出してますから。」と下を向くと、
「それでも、お見合いなんでしょ?」と笑われた。



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