オトナの恋は強引です！

店のドアが開いて、コムギがやってきた。
「サクラ。」と私を抱きしめて、隣の席にに座った。
「竜二さんは間に合ったみたいだね。」とニコニコしている。
「お騒がせしました。」と私が言うと、
「本当だよ。
サクラが急にDragonから離れたから、
私もサクラがいなくなるって思って、慌てちゃった。
師長から退職の話は聞いてたし、
竜二さんに『お見合いして結婚するらしい。』って
ちょっと大袈裟に話しちゃった。」と笑う。

…なるほど。

「大袈裟ってワケじゃなかったよ。
サクラのやつ、ダンボールに荷物詰めてた。」
とドラゴンが不機嫌な顔で、コムギの前にいつものカシスオレンジを置く。
（私の前にはバーボンソーダだ。すぐ酔っ払うから、薄いヤツ。
バーボンの香りをドラゴンがに教えてもらってから、いつもそれだ。）

「そーいうオンナだと思ってたよ。
決心したら、頑固だし。」とコムギが呆れた声を出し、
「よく、捕まえたね。竜二さん。」と言って、コムギがドラゴンを見ると、
「泣いて頼んだ。」とドラゴンが笑う。
「わあ。サクラって酷い。」とコムギもクスクス笑うので、
「な、泣かせてないって！」と私が顔を赤くすると、
「責任とって、結婚してもらうことにしたんだ。」とドラゴンにっこりする。
「ええ！？結婚！？早くない？！」とコムギが大きな声を出すので、
周囲の注目を集める。

こ、こら。声が大きい。