オトナの恋は強引です!
「ひでーなサクラ。
でも、真っ直ぐで遠慮がなくて、俺の事が好きなんだよな。」
とドラゴンは私を抱きしめた。

そ、そうなんだけど…。



「許してやって。サクラちゃん。
竜二は時間がかかっても、ちゃんと君を選んだから。
どうしても、そばにいて欲しくて、抱きしめたから。
良かったな竜二。
サクラちゃんはおまえの良いところがよくわかってるみたいだ。
結婚するって言ってくれたんだろ。」とお兄さんが優しく笑った。

「竜二は兄弟の中でも、顔が整ってたから、やたらともててね。
好きになった女の子は一旦は彼女になるけど、
すぐにいなくなるっていうのの繰り返しだった。
だから、本当に好きになった子にはすごく臆病で、
そばにいれば満足ってそう言ってね。
でも、今回ばかりは誰にも渡せなかったってことでしょ。竜二。」とお姉さんも笑う。

そ、そういう感じ?
「…えっと、そんなに怒ってるってわけではなくって、あの。…
ごめんなさい。
長い間自分だけ、片思いだって思ってたから、つい、…」

「待たせてゴメン。サクラ。
結構時間がかかっちゃったけど、
俺はサクラを愛してる。
一生一緒にいるって決めたんだ。」とドラゴンは私を真っ直ぐ見る。

「…はい。」と私がそっと言うと、


「親父と、お袋が待ってるよ。」とお兄さん達は、先に玄関に入った。

ドラゴンは私に深くくちづけし、
「行こうか。」と私の肩を抱いて歩き出した。

そう。
オトナになると、いろいろ経験して、臆病にもなるって事だ。

ドラゴンが勇気を出してくれたから、こうしてここにいる。
そうでなければ、永遠に別れて行っただろう。

ごめんね。ドラゴン。
ひどい事言っちゃった。
大好きです。と心の中でもう1度謝っておいた。
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