【完】素直じゃないね。


考えだしたら居ても立っても居られず、あたしは放課後になると真っ先にスーパーへ足を運んでいた。


お見舞いで持っていく消化のいいものや栄養のある食料を、カゴいっぱいに入れたところで、はっと我に返る。


心配でここまで来ちゃったけど、迷惑だったらどうしよう。


というか、目を見て話しかけられるのかな……。


……あぁもう!考えるのやめた!


カゴを手に、ぶんぶんと首を横に振る。


難しいこと考えるのはやめて、とりあえずお見舞いに行って差し入れしよう。

今は高嶺の体調を第一に考えないと。


レジに向かう途中、不意にレジ近くにあるお菓子コーナーが目に止まった。


コーナーの一番奥には、数種類ののど飴が並んでいて。


咳してたし、のど飴も買っていこうかな。


……あ、これいいかも。


手に取ったのは、ウイルスがモチーフなのか、悪魔のキャラクターがプリントされたパッケージののど飴。


ふふ。悪魔なんて、高嶺にぴったりだ。


人知れず笑顔を浮かべ、あたしはそののど飴を数袋カゴに入れた。






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