【完】素直じゃないね。
駆け寄ってきたあたしの方を、ふたりの先生がこちらを振り返る。
「お、日吉じゃないか」
驚いたようにあたしを見つめる井沢先生。
あたしは間髪入れず、はっきり言い切った。
「その仕事、あたしがやります」
「え? でも、これは」
「あたし、時間あるので」
井沢先生は始めは躊躇っている様子だったけど、譲るまいと頑として見据えていると、折れたように眉を下げた。
「ほんとか……?
じゃあ、お願いしてもいいかな」
「はい」