【完】素直じゃないね。
「どういうつもりか知らないけど、彼女が嫌がるようなことしないでくれるかな」
充樹先輩が庇うようにあたしの前に立ち、高嶺に向かって糾弾する。
「君に、俺たちの邪魔をされたくない」
聞いたことがないほど、ピシャリとした充樹先輩の声。
少し顔を上げて高嶺の顔を伺えば、なにか言いたげな複雑な表情で口を結び、充樹先輩を見つめていた。
こんな顔、見たことない──。
「……高、」
「行こう、つっちゃん」
充樹先輩に、ぎゅっと手を握られる。
あたしは充樹先輩に手を引かれるまま化学室を出た。