結婚相手の条件



ひと段落、
時計を見れば2時
スミレが買ってきてくれた
親子丼を3分で食べ、また仕事


そんな忙しい合間に出来た
ほんの少しの時間に
残業申請書を手に総務へ来た


何が嫌だって、承認印を押してくれるのは総務課長
これが…くせ者だ
過去に二度だけ
課長不在時に申請しに行ったが
「何故時間内に終わらせない?」
「残業しないといけない仕事か?」
「経費いくらかかると思っているんだ」


あの時は私が残業するわけじゃなかったから、わかりません、頼まれただけです、とのらりくらりかわせた

けど、今日は自分の残業だ
しっかり応えないと承認されないだろう
階段を上がり2階の奥にある総務部へと足を踏み入れた


『失礼します』


シーン、と静まり返っている総務部
チラッとみんな一斉に私を見る
…こ、怖い

なんたる雰囲気
無駄話は一切できない雰囲気の中
目的を果たすべき口を開いた


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