専務に仕事をさせるには
新たな道

窓際に置かれたベット。

雨の音に、私はまだ重い瞼をゆっくりと開けた。

ベッド脇に置かれているスマホを取り時間を確認し、まだ眠った時間からそれ程経っていない事を知る。

眠った正確な時間は分からないけどベットに潜り込む時カーテンの隙間から空が明るくなるのが見えたからよく寝ても2時間ってところだろう。

そろそろ起きないと間に合わないと思いながらベット横の窓を少し開け手を差し出す。

今日は雨雲が薄暗く空を染めている。

天高くから降りて来る銀の雨は少し冷たくまるで私の涙の様。

この寂しさと空虚の織り交じった私の心は癒やされる事はあるのだろうか…


「起きたのか?」とベットの端に座る男。


私はいつもの様に裸、一応見えない様に布団を抑え胸を隠す。


「ごめん… 迷惑かけたね?」


別に良いよって男は煙草を咥え火を付ける。

男の吐き出す紫煙がゆっくりと広がり消えていく。

それを見ていると煙と一緒に「いるか?」と言葉が向けられる。

もう何年も吸っていない私は首を横に振る。


「お前、あの専務の事どうするつもり?」


「どうもしないよ… 相手は大会社の御曹司様で私はただの秘書だよ?」


「あの人が結婚しても今の関係続けるのか?」


渉には専務との詳しい関係は話していなかったけど、やっぱり勘付いていたようだ。


「まさか… 不倫なんてしない。専務が結婚相手を見つけて会社を継ぐ気持ちにさせるまでが私の仕事…」


「じゃお前はどうするんだよ?仕事辞めるのか?」


「まだ考えてないけど…暫く旅行にでも行こうかな?」


「傷心旅行?そんなの鈴々には似合わないよ!」


私は、だね?と笑ってみる。


「そういやー、これで二度目だな? お前が俺のベットを占領したのは?」


え?私まえに渉と朝を迎えた事あったっけ?







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