この広い世界で、2度目の初恋を


「お、おい……だ、大丈夫か!?」


必死に声をかけるけど、上がってくる気配はない。

誰かを呼ぶという考えも浮かばずに、俺がなんとかしなきゃと思った。


ーバシャッ、バシャ!!


俺は、川の中に入っていって、あの女の子を探す。

「おい!!返事しろって!!」


そして、腰まで浸かる所までくると、川に突っ込んだ手に、温かい体温が触れた。


これだ!!

そう思って、勢い良く引き上げる。


ーーーバシャァァンッ!!


「ぶはぁぁっ!!」

引き上げると、水面からあの女の子が顔を出す。

良かった!!

ちゃんと生きてた!!

お、俺まで生きた心地がしなかったぞ!!

「あ……」

俺が引き上げた女の子は、小さく声を上げて、俺が掴んでいる手を見つめている。

そして、ゆっくりと顔を上げると、そのクリクリとした可愛らしい瞳が俺を見た。

ートクンッ

な、なんだ………?

不思議な胸の高鳴りを感じた。

そして、次第に熱が頬に集まっていく。

それを誤魔化すように、慌てて口を開く。


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