あの時君は、たしかにサヨナラと言った
「てゆうか、水谷さんの彼女って、おばさんじゃないですかぁ」

真奈が、無遠慮に宗一郎たちのテーブルを見て言う。

「そうかな?」

俺は、やや遠慮がちに視線を配る。

確かに、宗一郎の彼女は年上だろう。それも1つや2つじゃない。

もしかしたら、二十代半ばを過ぎているのかもしれない。

「そうですよ。良く見たら笑うとき、ここにくっきり」

と、真奈が頬をなぞる。

「法令線てゆうんですかぁ?それ、でちゃってますもん」

キャハハ、オバサンだよぉ。水谷さんあんなもてるのに、本命はまさかのオバサン!

などと、手を打ってばか笑いする真奈。

そんな真奈の言いぐさに俺はちょっと…、いやだいぶ引いた。

そりゃ、18歳の真奈からみたらオバサンと言われても仕方ないのかもしれないけど…。

でも、若くて可愛い真奈とはまた違った魅力が、彼女には十分にあった。

武器は整った顔立ちだけじゃない。地味な格好をしていても華がある。品性と色気を兼ね備えているのに、どこか冷めたような大人の女。高嶺の花。

その証拠にほら、普段へらへらしている宗一郎が、あんなにも夢中で彼女を見つめている。女を手玉にとっているやつが、子どもみたいな笑顔をしている。

宗一郎は彼女にぞっこんなんだって、恥ずかしいくらい伝わってくる。
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