久遠の愛と約束を

暫くすると、拓海が保健の松井先生を連れてきた。



軽く事情を話して松井先生が私のお腹を見た時、そこにいたみんなが顔を顰めた。



鳩尾周辺は真っ青に色づき、見るからに痛々しい絵だった。



「奥田さん、菅野さんがその…お腹を殴ったことに思い当たる節はない?
何か…あったのかしら?」



「なにか、って……」



ここにいる内、私が言えない理由を知ってるのは葵だけ。


考えるように葵の方を見ると、葵は顔を真っ青にして唇を強く噛み締めていた。



…葵………



こんなに苦しい顔をさせてるのが自分かと思うと胸が張り裂けそうなぐらい辛い。





なら、いっそ……本当のことを話せば…



松井先生の方に視線を向け、覚悟を決めて口を開いた。




「その……に、し……」



「菅野が一方的にやったと思います。彼女、今クラスで孤立してた状態だったし」






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