another新撰組・1
「・・・少し席を外したい。」

女の顔を見ないで言った。

「えぇ。看ていますから構いませんわ。」

ふふっ、と笑い声。

「でも、もし、あなたがいない間に、私がこのコを亡きものにしようとしたら、どうなさるの?」

「・・・コイツがあんたに殺されて、怒るのは俺ではなくて、あんたを情婦にしている人だろう。」

「なっ。」

余裕のあった顔が、一瞬で変化する。

真っ白い顔が朱色に変わり、瞳で人を殺せるなら、間違いなく今俺は死んだだろう。

激しい怒りの目は、まばたきすらなく、俺を見つめていた。
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