「15―イチゴ―」
もったいないなぁ───…
もっと触れてたかったなぁ───…
なんか恋人同士みたいだったなぁ───…
明るくなって、一瞬見えた俺の腕を掴む葵本に、柄にもなくそんなことを思っていた。
怖かったって言った葵本の頭を撫でてあげたかった──。
付き合ってたら、
理由とかなくても触れれるんだろうな───。
【イチゴミルク】。
それが、思い付いた頭を撫でる代わりの自分なりのご褒美だった──。