「15―イチゴ―」
ドキドキが止まらない──…
深呼吸をしていると、野上くんの声が聞こえてきた。
「あの…さ…」
途切れ途切れで
いつもとは違う、落ち着かない様子の声だった──…。
なんだろう──…
ドキドキして黙っていると、
ポケットから何かを取り出して渡してくれた──…。
カバンの中からは、少し温もってしまったイチゴミルク。
それを受け取って、
眺めている間に真剣な表情で、あたしに向かって言った言葉は─────…。