「15―イチゴ―」
「どうかしたの?」
俺の隣に来て、手招きをしたことに不思議がっている葵本。
そんな葵本を横目に、カバンの中から袋を取り出した。
「両手、出して。」
俺の言葉を聞いて、目の前で両手を広げてくれた。
その両手に、開けてあった袋を斜めにして、カサカサッと中身を出した。
今日の朝、通学路のコンビニで見付けた新商品のイチゴ飴。
「ありがとうっ!」
そのイチゴ飴を見て、嬉しそうに笑う葵本。
コンビニで見付けた時に思い浮かんだ、そのままの笑顔だった───…。