「15―イチゴ―」

そのまま手を繋ぎながら
ゆっくりゆっくり歩いた。

──…温かい体温が手を通して伝わってくる。

ドキドキしてんのバレてねぇかな──…


「──…え?」

後ろから戸惑うような声が聞こえたけど、離さなかった。


またはぐれてしまうのが心配だったのもあるけど……

寂しそうな表情を見たくないと思ったんだ。


「……ごめんな。
嫌かもしんないけど、ケガしてるし、危ないから。」


付き合ってもないのに
手を繋ぐなんて、どうかしてるって思うよな──……


心臓が飛び出そうなぐらいドキドキしている──…。


葵本の方を向けずに
そのまま何も話さずに、ゆっくりゆっくり歩いていた。


「壱!?」

しばらくして誠也や、章吾の声が聞こえてきて、ドキッとして慌てて手を離した──…。
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