白球に想いを
特にどうという訳では無いが、こういう挨拶とか、明らかにこの時期とか、イレギュラーな入部もしくは見学はちょっと焦る。というよりも緊張する。
でも、あの人の笑顔を見るために、自分も強くなるために、あのクソみたいな学校を見返してやるために私は負けない。
もともと話すのはうまくないけれど、歳上と話すのはもっとうまくないわけで、ちゃんといえるか心配である。
「ふー……」
息を吐いて、緊張を必死に解そうとする。とてもじゃないけど、そんなことしないと、比喩どころの話じゃなくて口から心臓が出てしまうようなきがした。
「あれ??花奈挨拶いくのー??」
後ろから声をかけられた。
情けないことに、ビクッと思いっきり肩を上げたと思う。
「そんなびっくりしないで〜華恋だよー」
大げさだなって言いたげなくらい笑う後ろにいる女の子は、まぁ渚ちゃんの次によく話す子で、『華恋』という。
「え、あ、えと、なんだっけ??」
あまりの驚きに、ついかけられた質問が飛んでいってしまった。
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