【完】好きなんだからしょうがないだろ?



懸命に前だけを見つめる莉子は背筋を張って、顎を引いて、風を切る。


それは、空気抵抗なんかないみたいに走る。


莉子のひたむきな姿は風みたいに綺麗だ……。



歓声はもう誰が誰を応援しているのか不明なほど騒がしい。


莉子、頑張って……!

 
一位との差は僅差で………。


莉子が、がむしゃらに地面を蹴ってゴールテープを切った……。



その瞬間、あたしのクラスはみんな飛び上がって、勝利の喜びを抱え、莉子の元に駆け寄っていく。



< 251 / 351 >

この作品をシェア

pagetop