【完】好きなんだからしょうがないだろ?
莉子の言う通りあたしにはその目的がある。
嫌でもE組の外壁やらの修理が終わるまでは、憎き玲央と学校で顔を合わす毎日がやってくる。
しかも、アパートの隣人で……。
きっと忘れることは容易くなんかはなくて。
玲央を見て、胸が軋んだり、心無い言葉に傷ついた臆病なあの頃を思い出しても悲しくなったりせずに。
玲央の顔を見て自然と笑えるくらい大人になれれば、それは、本当に忘れたってことに繋がるのかな。
葬り去ったハズの、幼馴染みの記憶も、初恋も全部。
ーーーガチャッ
「じゃあ、また明日ね、玲央君?」