【完】好きなんだからしょうがないだろ?
ピンク色のリボンが結ばれた紙袋を抱えて駆け寄ってきた。
思わず、目を見張ったあたしの鼻息は荒くなる。
「麻白さん、今朝は大変だったね?私も、噂聞いたよ?あの轟先輩と知り合いだったなんて……私、驚いちゃったぁ」
うぅ……。
抜かりなくカールされた睫毛をパチパチさせながら、御木本さんがあたしの隣で声をあげた。
「っ、え……いや、それは」
初めて話すなんてことを感じさせない御木本さんに圧倒されつつ、否定する言葉がなかなか思い付かなくて。