今日から魔王はじめます!
「処刑…だと…!?ふざけんなよ!お前達はは黒を持つ王の器すら迫害するのか!!」


「ですから彼女は王の器に相応しくないと言ったのです。


…そして、レオナード第一王子」


「!」



ランスさんの目が嗜虐的に細められる。



「貴方も、彼女と共に脱獄の罪で処刑する」


「……ッッ!!」



レンが蒼白になって、一歩後ずさる。


私はもう何も言えない。ただ黙って、2人を見ることしかできなかった。



ランスさん、なの?


本当にあなたはランスさん?


休戦協定の締結すら、破棄したことをを覚えていないと言ったことすら、全て嘘だったというの?



違う。信じない。私は信じない。


私は…あの時の、優しく笑ってくれたランスさんを信じたい。



「間抜けな勇者です。私の追跡に気づいていたのなら、仕留めにくればよかったのに」



声を上げたのは、ランスさんの後ろにいた女性だった。


あの人は…!
< 290 / 383 >

この作品をシェア

pagetop