復讐アプリ
「恭子さん、私、来たよ……」




私はゲームセンターの隅で缶コーヒーを飲んでいる恭子に、
自信なさげに、ポツリと言った。




「理恵、遅ぇよ!

それより、ちゃんと持ってきたか?」




「持ってきたって……」




「金だよ!

わかってんだろ?」




「恭子さん、でも私……」




「でも、何だよ!」




「もう、お金は……。

恭子さんには、先週も、先々週もお金を渡したから……。

私はそんなに、お金持ってないし……」




「お前のそんな事情は、どうでもいいんだよ。

金がないと、私たちが遊べないだろ?」




「でも、恭子さん……」




「でもじゃねぇよ!」




恭子はそう言って、飲みかけの缶コーヒーを私の足元に投げつけた。




恭子が投げた缶コーヒーは、床で勢いよく跳ねて、飛び出してきたコーヒーが、私の靴と靴下を茶色く染めた。
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