「君」がいるから【Ansyalシリーズ ファンside】
「里桜奈、いい加減にしなさい。
どうして、いつも自転車壊して帰ってくるの?
里桜奈が虐められると美桜まで学校に居辛いのがわからない?
虐められてばかり。
協調出来ないなんて情けない。
社会に出て困るのは里桜奈よ。
そろそろ、何とかしなさい」
「ごめんなさい」
迷惑かけてごめんなさい。
「おやすみなさい」
逃げるように部屋へと駆け上がると、
真っ暗な自室に飛び込んでドアを閉め、
その場に崩れ落ちるように座り込んだ。
ごめんなさい。
迷惑かけてごめんなさい。
生まれてきてごめんなさい。
情けない子でごめんなさい。
手がかかる子でごめんなさい。
いらない子でごめんなさい。
声を殺して泣き続けた。
灰色の空は、
いつも青空を見せてくれない。
何時まで……この世界で生き続けるの?
何処にも居場所のない世界で。
誰も私を必要としない……映さない世界で。
いらない子なら……どうして私は此処にいるの?
生まれてきたの?
早く……この時間が終わって欲しいの。
私の願いはそれだけ。
……大丈夫だよ……。
私は何もなってないから。
傷ついてないから。
ただ……消えたいだけなんだ。
そう、消えたいだけ。
この世界の全てから私を消したいだけなんだ。
生まれなかったことにしたいだけ。
その場で床に倒れこむように泣きながら、
私の意識は遠のいていく。
灰色の空が今日もまた覆いかぶさっていく。