夏の終わりの失恋歌(恋愛中毒1)
10.恋は大騒ぎ
9月になって夏休みが明けると、キャンパスはにわかに活気づいてくる。

彩華も久々に会う学部の友人たちと学食でランチを楽しんでいた。

「えー、彩華彼氏と別れたの?」

「そうなんだ。いろいろあってね」

「残念〜」

「でも、彩華の周りは良い男三昧だから良いよね〜」
友人の言葉に彩華の目が点になる。

「そんなのいないけど?」
「だってバンドメンバー皆かっこいいじゃん」

夏休み前の大学夏祭りのイベントで、彩華のやるライブを皆見に来てくれていた。

「えー?
気付かなかったー」

彩華は本気で驚く。

「彩華は彼氏さんしか目に入ってないもんね」

「確かにっ」

友人たちが決め付ける。

話は夏休み中に彼氏が出来た裕子のことに移っていった。


彩華はぼーっと行き交う人を見ていた。
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