男の秘密 -繋がる未来-
再始動
忍の家族との挨拶が済むと、色々な事が動き出した。

一つ目は、斎賀家の引越し。

今の賃貸を解約して、忍が管理していた元の家に戻る事になった。

その際に、家を出ていた美穂が、通勤時間が短くなるという理由で、両親と同居をする事になった。

優は仕事をやりつつ、結婚式に向けて動く事になり、毎日仕事に、家事に式の準備と目が回るほど忙しく過ごしていて、疲労困憊状態だった。

その様子を見かねた忍が、両親に式は優の仕事が片付いてから具体的に考えると申し出てくれて、結婚式は一旦白紙になり、その甲斐あって、心に余裕が出来た優は、順調に仕事をこなす事が出来、12月も終わりに近づいた頃仕事が片付いた。

それでも、手を抜く事は出来ないし、寝食を忘れると心配されるのでかなりキツイスケジュールとなってしまった。

納品の帰りに見上げると、大きなツリーに色とりどりの飾り付けがしてあり、世間はクリスマスだった事を思い出す。

今はまだ明るいが、夜になればライトアップされて、更に綺麗だろう。

『気がつけばもう、クリスマスなのね』

室内にばかりいたので、周りが見えていなかった事に気付いた。
< 167 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop