箱入り娘と黒猫王子
「あー面倒…」

「おい高嶺。総会の準備、したのかぁ?」



隣の部屋から副会長の絃晴にまた安眠を邪魔される。



「…俺を誰だと思ってんの?」

「あーそりゃすいませんね。
茉夏〜あんま高嶺怒らすなよな。」



お前もだよ絃晴…。



「だって〜…会長が書記の子、面接してくれないんですもん。」

「んぁー…まぁそれはそーだな。高嶺、」

「ん、分かってるよ…」



だから今は寝かせてくれ…。
やっとの思いでもう1度腕に頭を乗せる。

心地よく静かな生徒会室。

はぁー…落ち着…


コンコンッ
「失礼しまーす。紫ノ宮会長、総会の準備の方…」

「はい、今行きますねっ!」



ニコッと笑って見せれば、呼びに来た女生徒は少し赤くなってドアを締めた。



「セーフっ!!」

「さーすが命懸けの猫被り」

「…別に命懸けじゃないよ。」



…やっぱ、ドアに鍵つけようかな。
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