君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】

僕にはそう見えるんだ。



翌朝。
学校は休み。だけど、私は部活があるから学校に向かう準備をしている。


槙野くんに昨日のお父さんの事を伝えたら、喜んでくれた。
それから、今日部活だというと終わったらうちにおいでよって返事が来た。


部活が終わったら家に行く約束をした。
順調に部活の練習を終えた私は、とりあえず槙野くんに部活が終わった事だけを告げる。


すると、どうやらこっちに向かっているらしい。


「ねえ、瑠美子」


一緒の部活のメイちゃんだ。彼女は長距離メイン。
短距離メインの私とは練習メニューが違うとはいえ、よく話をする。


「何、メイちゃん」

「やっぱあの噂本当なの?」

「噂?」


何それ。噂って何?

心当たりがなくて首を傾げると、メイちゃんがどこかを指差した。
その方向を見てみると……、視線の先にいたのは槙野くんだ。
< 130 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop