君の中から僕が消えても僕は君を覚えている。【完結】

僕を受け入れてくれた。



その日、真っ直ぐ家に帰った私は自分の部屋でケイタイを握り締めていた。


槙野くんに連絡先を書いた紙を渡したら、帰ったら連絡するねって言ってくれたから。
それでさっきからバカみたいにそわそわしている。


勉強をしようと机に向かうけど、ケイタイが気になってそれどころじゃない。
こっちから連絡を取れたらいいのに、槙野くんの連絡先を知らない。


こんなに他の事が手に付かなくなるなんて思わなかった。
勉強しないとヤバイって思っているのに。


一応教科書を開いているけど、さっきから全く頭に入ってこない。

まさか、槙野くんメールの送り方わからないとかないよね?
……そんなまさか。

でも、彼ならあり得そうだ。
ケイタイを携帯していないぐらいなんだから。


もしそうならば、私がこうしていくら気を張っていても意味がない。



「はあ~~……」



なんか、気が抜けた。
私は大きな溜め息を吐きながら、脱力する。
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