ただあの子になりたくて
そっと優しく、滑らかに、引っ掛かりなど一つもなく、果実はくるくると回る。
赤い皮はまるでリボンのように細く、らせんを描いて、下へ流れていく。
あまりの華麗さに見惚れてしまう。
なんて綺麗なのだろう。
私にもできるだろうか。
私も包丁を片手にリンゴへ刃を立ててみる。
でも、あっと声を漏らし、すぐに顔をしかめた。
包丁を抜けば、そこは深くえぐれた不細工な白い果実になっていた。
同じリンゴなのに、私のリンゴだけがかわいそうに、作業台の上に転がった。
私は、皮も満足に剥けないのだ。