ただあの子になりたくて
彼がどんなに一生懸命に話してくれようと、私はもう聞きたくなかった。
演技ばかりする家族も、好きな人に愛されない自分ももう不要なものなのだから。
「ないよ……、そんなこと」
震える声を必死におさえこむ。
ゆっくりと、ただ静かに、2人の目が大きくみはられる。
それでも私は臆さず言う。
「ただ、弱かったんだよ。それに耐えられるだけの力がなかっただけ……」
それが、本当の私。
かっこつけも、強がってもいはしない。
これだけが、私の事実。